クレーンゲームの景品の重心統計 (予測モデルの大型改定 [2022年1月版])

クレーンゲームの重心位置の傾向を数字に基づいて紹介する「重心統計」です。2021年の結果を踏まえ、2022年の予測モデルを紹介したいと思います。

新モデルの概要

これまでは、景品ブランド別の集計値をベースに、造形・梱包の特徴要素を少し加えたモデルで予測していました。一方で、さらなる正解率上昇のためには、梱包や造形の特徴をより予測変数に多く盛り込む必要がありました。今回の 改定ではそのような課題を踏まえて以下のような改定を行いました。

  • リアル系フィギュアは、メーカー別の梱包の特徴に応じたロジック (予測変数) を設定
    – セガ・タイトーは、造形要素 (姿勢・髪・衣服の特徴 等) に注目したロジック
    – フリューは、箱の中の隙間の大きさ + 造形要素に注目したロジック
    – バンダイスピリッツは、パーツの分解・積み上げ方 + 造形要素に注目したロジック
  • 造形要素 (姿勢・髪・衣服の特徴 等) はこれまでのモデルでも一部盛り込んでいたが、今回は変数を多数追加
  • デフォルメ系フィギュアは、原則として景品ブランド別だが、「Qposket」等の一部ブランドはタイトル別の重心操作の傾向をなるべく予測に盛り込む (これまでのモデルと基本的な考え方は同じ)

(新モデルの概念図)

モデル策定の根拠

上記の根拠として、2021年度の約1,300件分の獲得データを分析しました(2020年から傾向が変わっている部分も多いため、今回は2021年分のデータだけで分析)。詳細な分析結果は割愛しますが、リアル系フィギュアは、梱包方式の違いに影響を受けやすいため、各社の梱包方式の違いに応じてロジックを変えることが有効と判断。また造形要素としては、従来見てきた姿勢や髪のボリュームに加え、衣服の特徴、小物・台座の特徴等について、6~7の要素を新たに予測変数として識別しました。「Qposket」の重心操作が人気タイトルで発生しやすいことはこれまでと同様です。
時間的制約の中で分析したため、引き続き課題が残る部分はあるものの、2022年は上記のモデルをベースに、モデル改善を継続的に行っていく所存です。

※尚、今回からロジックの詳細 (予測変数の具体内容 等) は非公開とさせて頂きます。ロジックを公開して透明性・納得感を高めたい思いがある一方で、盗用や業界関係者側による対策リスクもゼロではないと思いますので。モデル見直しのタイミング等、必要に応じて詳細なロジックを追加的にご紹介できればと思います。ご理解賜れますと幸いです。